大学で講義を受けていると、とつぜんザワツキ出したのは、大学の事務職員が講義の場に来たから。
事務職員、「〇〇君?いる」
多くの生徒が、〇〇って誰?とザワツク中、私は手を上げた。
事務職員、「君が、〇〇君?」
私、「はい」
事務職員、「急いでアパートに帰りなさい」
何事だろう?
講義を抜けてアパートに帰ると、私の部屋から作業服を着た人が出て来た。
私、「あのー、どちら様ですか?」
作業服を着た人、「もしかして、ここの住人さん?」
私、「はい」
作業服を着た人、「お風呂のお湯が出っぱなしだったよ」
私、「スイマセン」
とっさにスイマセンと謝ったのは、反省して謝ったわけではない、反射的に口から出たのだ。
作業服を着た人、「下の階に水が漏れたから、謝って来たほうが良いよ」
アパートの2階の部屋を借りている私は、下の階の部屋へ行くと、大家さんがいた。
大家さん、「貴方、上の階の人?」
私、「はい、スイマセンでした」
大家さん、「どうして、お風呂のお湯を出しっ放しにするの?」
私、「スイマセン」
ここでのスイマセンは、先程と違い反省の意味が込まれている。
下の階へ降りる途中、どうしてお風呂のお湯を出しっ放しにしたのか考えてみると、実家の風呂は自動でお湯が止まるのだが、借りているアパートに、そんな機能は付いておらず、風呂に入るつもりでお湯を出しっ放しにしたことを忘れ、大学へ行ってしまった。
大家さんらに迷惑を掛けてしまったことを、実家の親に連絡すると、「兄弟揃って、同じことをしないでよ」と言われた。
私の兄も一人暮らしを始めた時に、風呂のお湯を出しっ放しにし、下の階の人らに迷惑を掛けた。
これをキッカケに、家を出る時は、火元だけでなく、水が出てないかも確認するようになった。