大学進学を機に、アパートで一人暮らしを始めることになった。
アパートを紹介された不動産屋さんに渡されたものの中に、水漏れや水回りのトラブルを解決してくれる業者さんのパンフレットがあった。
そのパンフレットに目が止まると
不動産屋さん、「24時間対応してくれるから、困ったことがあったら、そちらに電話して」
私の実家は築20年ほどの一軒家、今まで住んで水回りのトラブルを経験していないため、水回りのトラブルについてピンと来なかった。
生活費の足しにするアルバイトを終えアパートに帰ると、他の部屋の住人が外に出ていた。
他の部屋の住人、「君の部屋、大丈夫?」
私、「どうかしたのですか?」
住人、「水は流れる?」
部屋に入り、台所の流しやトイレ、浴室の水を流してみると、トイレの水だけ流れが悪い。
外に出て先程、話し掛けてくれた住人に、トイレの水の流れが悪いことを言うと
住人、「となると、〇室の部屋のトイレが詰まってるな」
住人の言う〇室とは、私の隣の部屋。
住人らが外に出て集まっていると、近所に住む大家さんがアパートにやって来た。
住人、「大家さん、また、水が詰まった」
大家さん、「今度は何処?」
住人、「おそらく〇号室の部屋」
大家さん、「〇号室は入居したばかりの1年生ね」
入居したばかりなのは、私も同じ。
それに気付いた大家さんは私に、「貴方は、変なことしないでよ」と言った。
水が詰まる変なことって、何だろう?
水回りのトラブルを解決する業者さんが来て判明したのは、〇号室の住人は、トイレに余った食材を流していた。
何も知らない◯号室の住人が帰って来ると
大家さん、「貴方、トイレに何を流してるの!」
〇号室の住人、「スイマセン。部屋が臭くなるのが嫌で、トイレに余った食材を流してしまいました」
この住人は、大家さんや管理会社の人にメッチャ叱られたが、学生とのことでアパートは退去にならなかった。